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ホールケーキの経験値稼ぎその6(真夏と真冬編)

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(※22/12/24 冬のケーキの注意点にムースの話を追記。)
ここまで季節不問のやり方を紹介してきたが、今回は季節の話。
我が家は主に初夏と真冬にホールケーキを作る。
春秋の過ごしやすい時期はゼロ。極端すぎる。
クリスマスケーキや誕生日ケーキは時期固定。作りやすい季節に作ろうなんて無理な話。
気候に合わせて、こっちが工夫するしかないよね。

というわけで、真夏と真冬、それぞれの注意点を考えた。
事前に把握すれば準備もしやすいし、対策も楽になるのでね。

下のリンク先のように、常温に戻す作業ひとつ取っても差が出る。


★夏のケーキの注意点

・暑さに弱い食材がだれる(生クリーム・バターなど)
・エアコン入れても室温は20度オーバー(25度前後)
・作っている時に生地の冷やし続ける対策が必要(保冷剤など)
・生地や完成したケーキを冷やす時間を多めにとる必要がある。
・全体的に手早い作業が必要。

室温が高いので、どうしても冷やす作業に神経を使う事になる。
保冷剤メインでやるなら、2~3個では足りない。10個位あればスペア込みで万全。
保冷剤が足りない場合、例えば生クリームの泡立ては氷を惜しみなく大量投入するしかない。

生クリームの扱い方
保冷剤や氷ガン積みで、泡立て中にとにかく冷やす。
泡立て後の生クリームは、使う時まで冷蔵庫に入れておく。
下記の記事でプロが書いてるが、氷水は空気と接する表面まで冷やせない。
冷蔵庫は事前に片付けて、冷蔵庫で冷やせるようにしておこう。

泡立てる時は、下の記事にあるように冷やせるものは道具も空気(室温)もしっかり冷やそう。
泡立てやすい形の泡立て器の事も紹介している。細かく見ると用途別にあるらしい。 


生クリームの絞り方
使う生クリームの脂肪分にもよりそうだが、30%台の植物性の場合として書く。
太い丸口金やサントノーレ口金のように、比較的シンプルな形が割と楽。
星口金は切り込みの数が少なめだと良さそう。
何よりも、さっさと絞り切って冷蔵庫に放り込むのが大事。
下のレシピのような、ケーキの半分にサントノーレ口金を使った蛇行する絞りは意外と何とかなる。
一気に絞る他ないともいう。



そもそもダレにくい物を作ってしまうのもありらしい。
こちらは、マスカルポーネチーズ入りのクリームでのデコレーション。
細かい細工をしたい人は検討の価値ありか?
 
脂肪分が40%以上など、しっかりつのが立つクリーム類は夏でも形を保てる見込みはある。
下の写真は中沢の乳脂肪45%の物。
下手糞なのでちょっとぼそぼそだが、さっさと絞って冷蔵庫に入れれば星口金のひだは保たれる。
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ちなみに、チーズでムースを作る時は別の意味で注意。
奴らは暑さもお構いなし。
暑いからゆっくり出来るという慈悲はなく、生地が完成したらすぐ型に流し込まないといけない。
生地完成後10分もすれば、もうボウルの中で半分固まっている状態になる。

こうなるのは、チーズの固まる温度が高いせい。
28度が融点のチョコ共々、生クリームと混ぜる前は40度位でもOKだそう(※レシピにもよる。)
一方で生クリームは冷やしてないとダメなので、
合わせると冷えたチーズは一気に固まり始める……という理屈。

特に中にムースを入れる入れ子構造は、流し込む作業に手間取るので要注意案件。
表面はデコボコになりやすく、注ぐだけで滑らかにしたいなら温度管理をよく研究しないとダメそう。

中に小さいムースを入れるとか、
型との隙間を埋めなきゃいけないなら、絞り袋で生地を型に充填するのが一番。
1cm位の丸口金で絞りだせば、隙間埋めも爆速で終了。

冷やす時間の確保
冷蔵庫で冷やす時間がある物は、スケジュールを涼しい時期より30分~1時間は多めに見ておきたい。
スポンジケーキやタルトを冷ます時間とか、そういうのは変更しなくても大丈夫。

手早くするコツ
一番早く作業出来る道具の利用を惜しまないのが一番。
「洗うの面倒」「使うのがもったいない」という発想は、全て失敗に繋がるダメな発想。
肝心のケーキの出来がダメになるのが一番まずいので、使える物は惜しまず全部使う。
失敗したら1000~2000円位の物が犠牲になる事は、心の隅に置いた方がいい。
※予算はケーキの種類にかなり左右されるが、大体市販の半分~2/3位と思って欲しい。

◆暑さに強そうなもの
焼きっぱなしでも出せちゃうチーズケーキ類が一番強いかなと思う。
逆に生クリームをいじる時間が長いショートケーキは厳しそう。
そういう意味では、間にクリームを挟むモンブランもさほど楽ではない。
ムースは単純な構造(二層にしない)の方が安心かなあ。
繊細なタイプは大体泣かされると思う。

チョコ細工はもうダメ。チョコプレートしか許されないレベル。
厚さ2mmのチョコ円盤すらへたりかける。
冷房を寒い位強くしないと無理だろう。


★冬のケーキの注意点
冬は注意点少ないと思うんだけど、一応こんな感じか。

・暖房は控えめ(室温20度前後辺り。)
・生クリームに温風直撃だけは避ける(場合によっては作業中だけ暖房オフ。)
・溶かした物がすぐ冷える(溶かしバターやゼラチン液などは保温に注意)
・室温で柔らかくする物は、室温が低すぎると柔らかくならない。
・暖房なしだとムースの温度管理が難しくなる(冷めるのが早すぎる。)

寒がりな人は暖房利かせ過ぎに注意。
生クリームはバターよりさらに暑がり。暖かい部屋は嫌いらしい。

一方で、スポンジケーキで御用達の溶かしバターは寒がり。
温かい〜熱い温度を保つ指示のある物は、冷やし過ぎに要注意。
特にバターやチョコレート、チーズのように冬の室温より明らかに高い温度が融点の物は、
放置したら固形に一直線で逆戻り。一旦置く時は湯煎を忘れずに。

パイとかクロワッサン作るならともかく、
そうでないなら室温10度とか15度とか、そこまで冷やさなくていい。
生クリーム塗る時はいいかもしれないけど、
低温ならどんな食材でも喜ぶわけではないってのも覚えておくと吉。

タルト類とか、柔らかくしたバターが必要なのに室温(15度)だとどうにもならないから、
レンジで慎重に何とか柔らかくするとか、それもそれで苦労はあるし。

上で紹介したリンクにはバターを適度に温めるコツがあったが、
こちらは卵を早く適温にする方法。卵も風呂に入る時代。
ムースについては、室温が10度位になるとチーズムースやチョコムースのように、
素材の融点が高いものが特に厳しい印象。
あっという間に冷え固まってくるので、生クリームと合わせる直前に40度位は絶対ないとダメっぽい。
30度だと混ぜ終わったらもう固まり始めた。
チーズはもうね……夏でも容赦なく固まるから、冬はもう温度上げておかないと無理絶対無理ってなる。
室温20度位あった方が、ベストな状態を保つのは楽。
それが難しいなら、チーズは作業中40~50度位のお湯で湯煎しておくのがベストかもしれない。


◆寒さに強そうな物
大体全部って雑な事を書きたくなる。
完成後は暖房以外怖いものはあんまりないだろう。
強いて言えば乾燥かと思うが、フルーツはナパージュやゼラチンで保護すれば良い。
チョコ細工のように暑い時期にお預けなものも気兼ねなく作れるので、
もう好きに凝り倒せばいいと思う。


今回はこんな感じ。全体的に夏はつらい。
でも、誕生日にケーキを手作りしたいなら仕方ない。慣れればそれなりにうまく出来るので頑張ってほしい。
生クリームデコにこだわらず、完成後には冷やせば大体は何とかなる。
次回は小技編の予定。一応それで最後になる予定。



  


by guruti-0 | 2021-07-12 21:30 | シリーズ記事 | Comments(0)

食欲の権化兼凝り性によるお菓子とパン作りの記録


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